美しきAI物語

少し前にNHKの「クローズアップ現代」を見ていたときのことです。
テーマは「生成AIとの共存」。
人々が日常生活でどのようにAI取り入れているのか、本人へのインタビューを交えながら紹介していました。
子育ての悩みをAIに相談するなど実用的な使い方をする方もいれば、AIと結婚したという女性まで…
ちなみにAIと結婚した女性は
「理解されなくてもいいけど、(AIと結婚する人間がいることを)認めてほしい」と話していました。
個人的には本人が幸せなら、それはそれで良いのでは、と思います。
続いて取り上げられたのは、亡き妻をAIで再現し、毎月の月命日に会話をしているという50代の男性。
亡くなっても未だ妻と会話がしたいなんて、
よっぽど愛されていたんだ、素敵だなぁと思って見ていました。
妻をAIで再現する過程を紹介しており、それには生前の写真と音声データが使われていました。
が、使用されている写真の中の女性は、赤ちゃんを抱っこしており
とても若く(恐らく20代)見えます。
ん…?
めちゃくちゃ年の差婚だったのか?
それとも、妻は同世代だけど、もしかすると病気で、
薬の副作用の影響が外見に表われてしまって、最期にはあまり写真を撮りたくなかったとか?
(番組内ではなぜ亡くなったかは語られていませんでした)
画面が男性のインタビュー映像に切り替わり、
なぜ妻をAIで再現しようと思ったのかなどを答えていた気がしますが
写真の件が気になってあまり内容が入ってきません。
インタビューを受けているのは自宅の部屋で、
男性にピントが合っているので、背景は少しぼやけていましたが
奥には祭壇と遺影が置かれているのが見えました。
番組構成から考えて、亡き妻の祭壇と遺影だと思いますが
その遺影には中年の女性が写っていました。
遺影にできる、かつ、亡くなる直前の写真はありそうです。
もう1度AIで再現された妻が画面に写ります。
よく見ると写真に時代を感じる(髪型とか)。
やはりAIに使用しているのは、十中八九、若い頃の妻の写真です。
うーん、どれだけ愛した妻でも、折角AIで蘇らせて会話をするなら
若くてピチピチだった頃の姿が良いってことでしょうか。
いやはや、推理が冴え渡ってしまいました。
気分はまるで名探偵コナンです。
そして、途中までうるうるしかけていたわたしの瞳は、
そこまで考えた頃には完全に普段のドライアイ状態に戻っていました。
たらればの話をするのはナンセンスな気もしますが
もしわたしが20代で結婚、50代で夫に先立たれ、同じようにAIで再現するとして、
20代でイケイケの頃の夫の写真を使うだろうか…たぶん使わないです。
そして女性はわたしと同じ考えの方が多いのではないかな、と勝手に推測しております。
でも逆なら、(推測ですが)今回の男性のように、若い頃の妻の写真を使う人も
一定数いそうだなと妙に納得してしまうのも、また悲しいかな。
仕事柄、常に心の目をバッキバキにさせて物事を見る癖がついてしまっていますが
プライベートでは意識的に半目くらいにしておかないと、
余計なことに気づいてしまうなぁと改めて感じた出来事でした。
画面の隅々まで見て推理しなければ、
若い頃の妻の写真を使っていることになんて気づかなかったのに。
美しいAI(愛)の物語として素直に受け取り損ねた自分にがっかりです。
でも、真実はいつもひとつ、ではないかもしれないです。
もしかしたらこんな背景があるかもよ、とご意見があればお待ちしております。