見知らぬ人が近づいてきた話

先日、車で外出した時の事です。
用事が終わり、駐車していたコインパーキングに戻ってきたところ、
私の車の近くでうろうろしている、(多分)中国人っぽい男性の方がいました。
うわぁ、何であの人こんなところでうろうろしてるんだろ。
なんか怖いなぁ。
できれば関わりたくないなぁ。
と思いながら、車のキィを開け、車に荷物を詰め込みます。
と、私が車に戻ってきた事に気づいたその人は、私を見てニヤニヤしだしました。
私は、心の中で「こわっ!」と叫びました。
引き続き、心の中で「え?俺を見てるよね?なんかニヤニヤしてるよね?なんで?」と
自分に問いかけてみるも、まったく心当たりもなく。
えーっと。
こんな時はどうすればいいのか???
とりあえず気づかないフリ。
目を合わさない。
と思いながら、チラ見してみると、
その男性は車の前数メートルの距離で引き続き私を見てニヤニヤしています。
チラ見の範囲で、その「敵(かもしれない人)」の情報を集めます。
男性、年齢は30歳前後?
多分、中国の方?
・・・これだけの情報では何の役にも立たない。
ここは逃げよう。
そう決心した私は、料金を支払いに、車のすぐ近くにある精算機に向かいました。
もちろん、その男性とは目を合わさないようにして。
精算機で精算開始。
こんな時に限って、精算機の動きがやたら遅く感じます。
「早く!早く!」と私の心の声が叫んでいるような気がします。
と!
精算機にお金を投入している私に、その男性が近づいてきました。
そちらを見ないようにしていても、左目の端で、確実にその男性が近づいてくるのがわかります。
ひぇぇーー
怖い!
近づいてきたその男性が、右手に何か持ってる、
っと感じた瞬間、
私は、
体を後に避けながら、
左を向いて、
その男性を正面から確認。
と、その男性が右手に持っていたのは、スマホでした。
スマホ内の写真を私に向けて見せていたのです。
その男性の持ってる物が危ないものではなかった、と一瞬安堵したのもつかの間、
恐る恐るその写真を見た私はもう一度、
小さく「ひぃ!」と叫んでしまいました。
そこには、私の車の前に立ってピースサインをしているその男性が写っていました。
「何で?俺の車の前で写真撮ってどうする気?」と、頭が混乱状態です。
と、そこでその男性が初めて声を発しました。
「コノクルマ、ワタシノクルマ」
・・・へっ?
「アナタトオナジクルマニノッテマシタ」
・・・そ、そうなのか。その写真の車は俺の車じゃないのか?
「デモ、ジコシテ、クルマノマエガグシャグシャニナリマシタ」
「ナツカシクテ、アナタノクルマミテマシタ」
そ、そういう事だったのかぁ。
私とまったく同じ車に乗ってたのかぁ。
そういう事かぁ。
落ち着いてよく見てみると、その(中国人っぽい)人はとても悪い人には見えません。
(ホンマかいな)
とても、とても、ホッとした私が
「そっかあ、同じ車だったんだね~。で、どこで事故したの?」と聞くと
「キョウト」と答えてくれました。
(あー中国じゃなくて日本に来てから車買って、しかも事故ったのかぁ)
と内心思いましたが、それを口にする事はしませんでした。
恐怖と驚きと安堵が一斉に押し寄せてきたせいで、それ以上何を言っていいのかわからず、
一瞬躊躇した後に私が発した言葉は
「じゃあまたね」でした。
その、人柄の良さそうな(!)中国人っぽい人は
「ハイ、マタ」と笑顔で言って、車から離れていきました。
ごめんなさい。
多分、もう「また」はないけどね。
せっかく話しかけてきてくれたのに、ごめんね。
と、思いながら家に帰った私です。