関西代表
夏休みを利用して父が住む実家に帰省をしました。
私の実家は、群馬県の南の端の館林市というところです。
新大阪駅から東京駅まで新幹線に乗り、東京駅からはレンタカーを借りました。
首都高速から東北自動車道を経由して、空いていれば1時間程度で帰れる距離です。
東北自動車道は、関西の方にはあまり馴染みのない高速道路だと思います。
首都高速を経て、埼玉県の川口市(東京のすぐ北にある市です)にある川口ジャンクションを起点に、
青森まで続く、日本最長の高速道路だそうです。
経由する県は、埼玉県から始まり、
群馬県、栃木県、福島県、宮城県、岩手県、秋田県、そして青森県まで。
川口から青森までの全長679.5kmの道路です。
ちなみに、私が降りる館林インターまでは、川口ジャンクションから46kmしかないので
、私自身が、東北自動車がどうとか、偉そうに語れる資格は、あまりないっちゃーないのですが。
8月13日、その日は少しだけ東北自動車道が混んでいました。
東京や首都圏に住んでいる方が、北関東や東北地方に帰省するのでしょう。
交通集中による若干の渋滞というやつで、時速20km~30km程度で進んでいました。
3レーンの内、一番左の車線をゆっくり走っていた私は、
普段は見慣れない車のナンバーに興味を惹かれました。
普段、神戸ナンバーとか、大阪ナンバーとかを見慣れている私にとって、
品川とか、練馬とか大宮とか、普段見慣れないナンバーが新鮮に映ります。
やはり多いのは、品川とか足立とか多摩とかの東京のナンバーです。
お盆に実家に帰省するのでしょうね。
そして、やはり地元、埼玉県の、大宮や川口、春日部など。
神奈川県の横浜や、川崎、湘南もあります。
たまに、静岡とか山梨とかの、帰省なのか旅行なのかわからないナンバーも見かけます。
そして、宇都宮や那須など栃木県のナンバー、福島や会津など福島県のナンバー、
仙台や宮城など宮城県のナンバー、ごく稀に青森ナンバーも走っていました。
こちらの皆さんは、東京に、遊びや仕事に行った帰りなのでしょうね。
昨日まで、大阪や神戸で運転をしていた身にとって、こんなにも車のナンバーが違うのは、
まあ当たり前ではありますが、新鮮でもあります。
そして。
そんな中。
遂に。
出会いました。
「なにわ」ナンバー!
見つけた瞬間、おお!と声をあげてしまいました。
関東勢や東北勢に混ざって、たった1台のなにわナンバー。
はるばる大阪から、名古屋を超えて、東京を超えて、埼玉県まで来てくれたのです。
一体、どのくらい時間がかかったのでしょう?
普通に考えて、少なくとも7~8時間以上はかかっているはずです。
もしかしたら、東京で一泊してから更に北へ向かっているのでしょうか?
愛しの、なにわナンバー。
我々関西の代表が、どこを目指しているのかはわかりませんが、
たった1台で東日本勢に立ち向かっています。
私が、3車線の一番左側。
そして、関西代表がその隣の真ん中の車線。
真ん中の車線の方が少しだけ混んでいるようで、
私の車が、なにわナンバー車をゆっくり追い越していきます。
どんな仲間が運転しているんだろう?
追い越す際に、運転席をチラッと確認しました。
ん?
ん?
我らの関西代表は、髪型が昔ながらのリーゼントっぽい感じでした・・・
運転中なので、チラ見をしただけですが、こう言ってはなんですが、
やや柄の悪そうな雰囲気を醸し出しています。
いや、人を見た目で判断してはいけません。
きっと、心の優しいヤンキー系の方なんだと思います。
多分。
でも、私の中で、ついさっきまでの高揚感は、もはやしぼんでいました。
人って勝手なものですね。
私自身は、東京駅近くでレンタカーを借りているので、
品川ナンバーの車を運転しています。
なので、なんとなーくですが、東京モンのフリをして、
なにわナンバーの方とは何の関係もありませんよー的な空気を醸し出して、そのまま通り過ぎました。
関西に住む身でありながら、なんか、東日本に魂を売ったような、そんな後味の悪さを感じながら、
私は、ひっそりと館林インターで降りました・・・