捨てられないモノ
高校卒業まで住んでいた岐阜県の実家は、とにかくモノの多い家でした。
特にひどいのは父。
Tシャツや帽子でクローゼットはいっぱいで、全部同じように見えるのですが
本人曰く1つ1つに思い入れがあり、どうしても捨てられないのだそう。
前回帰省した際は、大量のアボカドの種を洗って、大事に集めているところを発見。
「一体何をするつもりだ」と尋ねると
「毎日アボカドを食べているのだから、いっそ育ててみようかと思った」と父。
念のためアボカドの育て方をネットで調べてみましたが
種から育てた場合、実がなるまでには8~10年程かかるそうです。
そもそも暖かい土地を好むので、大雪の降る岐阜県では無理です。
ビニールハウスでも建てるつもりなのでしょうか。
そんな父が反面教師となったのか、一人暮らし生活が長いからなのか
私はわりと躊躇することなく、モノを捨てられるタイプです。
ただ、思い入れが強いと捨てられないのは父と同じで
古くなっても捨てられないモノがあるので、紹介したいと思います。
何の変哲もないボールペンです。
大学生のとき、アルバイト先で配られたSARASAの三色ボールペン。
そのアルバイト先は上下関係がとても厳しく、長く勤めているママさんたちと
上手く関係性を築くことが、快適な職場環境を作るために重要な要素でした。
わたしは、特別仕事のできるタイプではありませんでしたが
ママさんたちがシフトに入っている時間帯にも果敢にチャレンジし
休まず、真面目に働いたことだけが評価され
アルバイトを始めて1年後、このボールペンをママさん代表からいただくことができました。
暗黙のルールとして、限られたメンバーしかこのボールペンを使うことは許されていなかったので、
認められた気がして、とても嬉しかったのを覚えています。
(実際は、長く働いているし仕方なしに…とかだったかもしれませんが。笑)
断捨離が苦手な父のことを馬鹿にしていましたが
捨てられないモノの1つ1つにも、何か物語があるのかもしれない…。
そういえば、10年程前に両親が離婚してからは、少しずつ実家が片付いてきているような気もします。
最近、彼女も出来たっぽい(娘としては嬉しいです)。
父も前に進んでいるのであれば、何よりですね。