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しょくぶんか入門~「煮る」のにすき「焼き」~

 

少し前まで「肌寒いな~」くらいだったように思いますが、

すっかり冷え込み、本格的な冬がやってきました。

 

もちろん寒いのは嫌ですが、その分、煮物や鍋、スープなんかの

ぐつぐつと「煮る」料理が美味しくてあったまるので、

個人的には好きな季節です

 

ひとつの食材を食べるのにも色んな調理法がありますが、その昔、中世ヨーロッパでは

「焼く」は貴族の調理法、「煮る」は庶民の調理法だったという話はご存知でしょうか。

 

理由としては、

肉や魚を調理する際、焼いてしまうと、

肉汁とともに栄養も流れ落ちてしまいますが、

鍋で煮るとそれはそのままスープに溶け込み、

無駄なくすべてを身体に摂取できるから、だそうです。

 

食べるものが同じでも、調理法ひとつで、

それを食べる人たちの生活や背景が見えてくる。

食文化っておもしろいなぁと思います。

 

現代の日本でも、

「すき焼き」という誰もが知る料理がありますが、

「煮る」料理にもかかわらず、すき「焼き」と呼ばれます。

これにもある背景が隠れています。

 

元々、「すき焼き」というのは農夫が野鳥などを、

農具である「鋤」の上に乗せ、焼いて食べるものを指していたそうです。

 

その後、幕末に外国との交易が始まり、牛肉を食べる文化が入ってきた横浜で、

「牛鍋」という料理が生まれました。

当時牛はまだ食用としては質が低かったため、

味噌で煮込み、臭みを消していたそうです。

 

しかし、関西では昔ながらの「鋤」焼きスタイル、

煮るのではなく、鉄の上で焼いて肉を食べる文化が残っていました。

 

そして1923年(大正12年)、関東大震災が起こります。

これにより働く場所を失った料理人が職を求めて西へ移動。

この時、関西にあった「鋤焼き」と関東から来た「牛鍋」の文化が混ざり合い、

「焼き」と呼ぶのに「煮る」料理、「すき焼き」が誕生したと言われています。

 

「関西風」「関東風」といったように、

スタイルの違いがあるのはこの名残ですね。

 

物事には色んな背景があるもんだなぁと思いました。

私も日々の面談で、みなさんが歩まれてきた人生にどんな背景があるのか、

しっかり理解できるよう努めていきたいと思う今日この頃です。

 

P.S.

世界のディープな食文化に興味のある方は、ネットフリックス等で見れる、

「ハイパーハードボイルドグルメリポート」という番組もおすすめです。濃いです。

 

 

 

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